「ヨガ効果up!?」シニア世代は必須!ヨガをする前に身体の事を勉強しよう!一番大事な呼吸編!

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 理学療法士とヨガインストラクター(RYT200)をしているくろまるです。32歳ですが、病院、介護施設、パーソナルトレーニングジム、ヨガスタジオなどでさまざまな仕事をした経験でシニア世代に役立ちそうな情報を「情熱」を持って書いています!

 このシリーズでは過去にヨガインストラクターの養成講座で解剖学を担当した経験から、なるべく分かりやすく、ヨガをする上で知っておくと良いカラダの知識をお伝えしてみようと思います。

 シニア世代だけでなくどの世代もヨガをする方には知って欲しい内容ですが、特にシニア世代においては、カラダの知識がある事で、間違ったカラダの使い方で怪我や痛みにつながるという事を防ぐことにもつながりますので、ぜひ最後まで読んで頂ければと思います。

 今回はヨガをする上で一番と大事と言っても過言ではない、「呼吸」について解説します!私が普段からやっている呼吸のトレーニングも紹介します!

呼吸って何をしているの?

 結論を簡単に言えば、酸素を取り入れ、二酸化炭素を排出するという行為です。取り入れた酸素は肺から動脈の血流に乗って全身の細胞に行き渡ります。そして排出された二酸化炭素が静脈の血流に乗って肺から排出されます。

 ヨガの教えの中で、顔のパーツでどれが大事かというものがあります。少々乱暴ですが、耳・目・口は無くてもすぐに死ぬ事はないが、鼻がないと呼吸ができず、ものの数分で死んでしまう、だから呼吸を大事にしようというものです。(口でも呼吸できるという声がありそうですが、口は消化器に分類されます。)

 呼吸は自律神経にも影響を及ぼすと言われています。人間の内臓は自律神経に支配されており、自律神経は自分の意思でコントロールするものではなく、自動的に調節されています。ですが、肺に関しては「横隔膜」という筋肉の働きによって(筋肉は自分の意志によって働きを調節できる)、意志によって自律神経に介入できる事が期待できます。緊張している時など無意識にため息や大きく深呼吸したりしますよね。

横隔膜(水色で示しているもの)

 呼吸はよく言う「体幹」が機能するためにも重要です。呼吸という行為は「横隔膜」という筋肉がほぼ担っています。(みなさんはみぞおちにサッカーボールなどが思い切り当たったことはあるでしょうか?そうなると呼吸がとても苦しくなり、吸いたくても吸えない、吐きたくても吐けないという状態になります。これは「横隔膜」が一時的に機能しなくなると言われており、「横隔膜」がどれほど呼吸に大事かが分かります。)この「横隔膜」は体幹を安定させる筋肉の一つなのです。つまり「横隔膜」が柔軟にコントロール出来ることは、「体幹」が機能するために必要と言えます。

どうやって肺に空気が出たり入ったりできるの?

 続いてどうして肺に空気が入ったり出たりするのか?について解説します。この知識が自分の身体でイメージ出来るようになると、ヨガなどをする際に、知らない時よりうまくポーズの効果を引き出すことが出来ると思いますので、知らない方はぜひ一読してください。

 まず第一に重要なのが横隔膜の動きです。肺を取り囲んでいる骨の総称として、「胸郭」がありますが、横隔膜は「胸郭」の下側でドーム状(上凸)に配置されています。この横隔膜が収縮すると真っ平になる方向、つまり上凸になっている真ん中が下に下がります。その動きに引っ張られて肺が広がると、肺が広がった分空気が入ります。よくイメージとして注射器に置き換える事があります。注射器本体が「胸郭」、注射器の引くところが横隔膜、血液が空気といった置き換えです。なんとなくイメージがつきますでしょうか?


 さらに横隔膜の収縮の最終相と「呼吸補助筋」の作用で胸郭自体も広がるため、肺にさらに空気が入ります。

 つまりヨガで言う「呼吸を深く」するには横隔膜が柔軟に最大限動くことと、「胸郭」が柔軟に動くことが重要です。

ヨガはなぜ鼻呼吸?

 ヨガでは基本的に口での呼吸はせず(一部除く)吸うのも吐くのも鼻で行います。これは単純で前述もしましたが、口は消化器であり、本来呼吸器ではありません。喉のところでつながっているので、口でも呼吸は出来ますが、これは呼吸のためというよりは声を出すという目的で進化したのではないかと言われています。

 口呼吸が良くないということはみなさん分かっているかと思います。ですが、呼吸は普段無意識で行っているものなので、意識的に鼻呼吸にしても、自然と無意識になると口呼吸になってしまう方もいるかと思います。ヨガで鼻呼吸をすることを継続していると、学習され無意識の普段の呼吸も鼻呼吸になっていくことが期待されます。

呼吸に伴う身体の動き

 次に呼吸に伴う身体の動き(主に肋骨と腹部の動き)の解説をします。

 まず腹部の動きの解説ですが、息を吸う時に腹部は膨らみます。そして息を吐く時には縮みます。実際に空気がお腹まで入っているわけではありません。これは前述した横隔膜の動きにより、息を吸う時には横隔膜のドーム部分が下に下がります。それに伴い腹部の臓器が押し出されるように動きますが、下は骨盤、後ろは腰椎があるので、柔らかい方のお腹の方に押し出されます。それがお腹が膨らむ正体になります。

 次に肋骨の動きの解説をします。

おすすめの呼吸トレーニング

 ヨガに関係する呼吸のことについて、勉強してきましたので、ここからは私も普段から行っている呼吸のトレーニングを紹介します。これをやるだけで、肩のコリが和らいだり、腰の重さが楽になったりしますので、私は朝と夜にほぼ毎日していますので、ぜひ試してみてください。簡単なのですが、今まで指導してきて、難しいと言う方もいらっしゃいますので、出来ることから継続してみてください。

BR式腹式呼吸

 まずは腹式呼吸を行います。基本的にはベッドで横になって行いますが、座っている時や立ってる時に行っても問題はないです。寝てやる方が余計な緊張が抜けやすいので、おすすめです。

 BR式の腹式呼吸というのは私が名づけたものですが、普通の腹式呼吸よりも微細な感覚でコントロールしていくものになります。それでは手順とポイントを解説します。初級・中級・上級とあります。すべて鼻呼吸で行います。

初級

1.片手をお腹にもう片方の手を胸に当てる
2.お腹が膨らんだり縮んだりするように呼吸をする
3.この時胸に当てた手がほぼ動かないように呼吸をする
4.10回ほど繰り返す

中級

1.左右の肋骨に手のひら、左右の肋骨の下のお腹に指先がのるように手を置く
2.お腹が膨らんだり縮んだりするように呼吸をする
3.この時肋骨に当てた手のひらがほぼ動かないように、指先だけが動く様に呼吸をする
4.10回ほど繰り返す

上級

1.お腹を左右から挟む様に手を置く
2.お腹が膨らんだり縮んだりするように呼吸をする
3.お腹だけでなく腰のほうまで、肋骨と骨盤の間が隅々まで膨らんだり縮んだりするようにイメージする。
4.10回ほど繰り返す

BR式胸式呼吸

 腹式呼吸の後には胸式呼吸を行います。こちらも初級・中級・上級とあり、すべて鼻呼吸で行います。それでは手順とポイントを解説します。

初級

1.片手をお腹にもう片方の手を胸に当てる
2.肋骨が膨らんだり縮んだりするように呼吸をする
3.この時お腹に当てた手がほぼ動かないように呼吸をする
4.10回ほど繰り返す

中級

1.左右の肋骨に手のひら、左右の肋骨の下のお腹に指先がのるように手を置く
2.肋骨が膨らんだり縮んだりするように呼吸をする
3.この時指先が当たっているお腹はほぼ動かない様にし、手のひらだけが動く様に呼吸をする
4.10回ほど繰り返す

上級

1.左右の肋骨に手全体がのるように手を置く
2.肋骨が膨らんだり縮んだりするように呼吸をする
3.下部肋骨・中部肋骨・上部肋骨と手の位置を変えながら、肋骨全体が動く様にする
4.10回ほど繰り返す

BR式完全呼吸

 最後にヨガの完全呼吸法にインナーマッスルの賦活をプラスした、BR式完全呼吸を行います。

1.お腹・肋骨、全てを動かすように呼吸をする
2.息を吐く時に体を丸めていく様なイメージをする(※実際には動かない、イメージするだけ)
3.息を吸う時に体をブリッジの状態にする様なイメージをする(※実際には動かない、イメージするだけ)

 実際に動かないでイメージするだけというのが分かりづらいかと思いますが、言葉の通り身体を動かすイメージをするだけで、実際には動かしません。実際に動かしてしまうとアウターマッスルの賦活が優位になってしまうからです。またインナーマッスルは動作が起こる前に、つまり動きをイメージした際に収縮が始まるので、イメージをするだけという方法になっています。

まとめ

 今回は呼吸についてのヨガに関係する部分の解剖学的な解説をしました。シニア世代に限らず、身体の動きや解剖学的な事を知っておくと、ヨガやトレーニングをする際に安全性が高まり、さらに効果も高まることが期待できます。最後の呼吸のトレーニングもぜひ取り組んで見てください。私は毎日している事で、この間後輩が私の身体を用いて施術の練習をする際に、「息を吸って〜吐いて〜」のリズムが長すぎて施術で力を加えるタイミングが狂いましたと言われました。意識したつもりはなかったのですが、それほど呼吸が長く行える様になっているのだなと思いました。笑

当ブログで紹介している調整法やトレーニングに関しての内容の妥当性については十分吟味していますが、個々の状況によって異なる可能性があります。また作成者個人の見解が含まれている場合や、最新の情報と異なる場合があります。当ブログの情報に基づく全ての行為については各個人の判断と責任の下で行ってください。当該行為における結果等について、当ブログ作成者は一切の責任を負いかねます。個人的な医学的質問ないしご相談には対応しておりません。医療機関にてご相談頂きます様お願い致します。

この記事を書いた人
くろまる

32歳 リハビリ専門家×ヨガインストラクター
資格:理学療法士、全米ヨガアライアンス200
病院、施設、自費診療など様々な経験をし、病気・怪我を未然に防ぎたいと頑張る方に自分の人生の時間と知識を使いたい。解剖学講師やヨガ講師の経験から、「予防」に繋がる記事を日々執筆中!

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